2023/03/15
特発性男性不妊症の精液所見と妊娠率に対する抗酸化物質の効果
「精液所見への抗酸化物質の効果」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)
精子運動率
L-カルニチン、コエンザイムQ10、L-カルニチン+L-アセチルカルニチン、ω-3脂肪酸で有意な精子運動率の増加が見られました。
L-カルニチンが精子運動率を高める最も効果的な治療法である確率が最も高く、次いでコエンザイムQ10、L-カルニチン+L-アセチルカルニチンとなりました。
精子濃度
ω-3脂肪酸、コエンザイムQ10、セレン、 L-カルニチンで精子濃度が有意に上昇しました。
ω-3脂肪酸が濃度を改善する確率が最も高く、次いでコエンザイムQ10、セレン、 L-カルニチンとなりました。
精子正常形態率
L-カルニチンのみが有意な治療効果を示しました。
L-カルニチンは他の抗酸化剤よりも最高位にランクされていました。
妊娠率
L-カルニチン+L-アセチルカルニチンとコエンザイムQ10は他の抗酸化物質と比較して治療効果の順位が高いにもかかわらず、すべての抗酸化物質とプラセボとの間には統計的有意差はありません。
結論
L-カルニチン、L-カルニチン+L-アセチルカルニチン、コエンザイムQ10、ω-3脂肪酸、セレンは、精液所見の改善に有効でした。
L-カルニチンは、精子運動率と精子正常形態率で第1位、ω-3脂肪酸は精子濃度で第1位でした。
コエンザイムQ10は、精子運動率と精子濃度において、より効果的な治療法でした。
妊娠率については、有意な効果は認められませんでした。
コメント
精液検査所見が良くない場合、サプリメントによる改善を求めて時間を使い妻の年齢を高めてしまうよりも、人工授精や顕微授精にステップアップしたほうが良いかもしれません。