2023/02/16
不妊症・不育症の新規検査 不妊症・不育症でお悩みの方へ
β2GPIネオセルフ抗体検査
(抗リン脂質抗体のひとつ)
ネオセルフ抗体 – β2GPIネオセルフ抗体検査情報サイト (revorf.jp)
「β2GPIネオセルフ抗体」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)
β2GPIネオセルフ抗体検査
血管の炎症を引き起こすことにより血栓ができやすくなることは、不妊症・不育症の原因の一つです。
この検査は血栓傾向の病態を、血液から高感度に検出します。
反復着床不全の方、子宮内膜症に罹患している不妊症の方の約30%、原因不明不育症の方の約20%が陽性です。
この検査が陽性である方は適切な治療により妊娠率(着床率21.1→52.6%)と流産回避率(生児獲得率50.0→87.3%)を改善出来る可能性が示されています。
もし検査陽性になったら
β2GPIネオセルフ抗体によって血栓が生じやすく、妊娠しにくい・流産が起きやすい状態と考えられます。
血栓を予防する治療によって、不妊症の方は妊娠成功率が31.5%増加、不育症の方は生児獲得率が37.3%増加する研究成果が報告されています。
β2GPIネオセルフ抗体と不妊症の関係
不妊症患者(特に子宮内膜症や反復着床不全)においてβ2GPIネオセルフ抗体が、高頻度で陽性となり、陽性患者に抗血小板療法を行うと着床率が2.5倍に上昇しました。
β2GPIネオセルフ抗体と不育症の関係
不育症患者の約2割、特に既存の検査で原因不明の患者の2割で陽性となり、陽性患者において抗凝固療法を行うと生児獲得率が80%以上に上昇しました。
よくあるご質問 1/2
検査の対象者は?
・不妊症(特に反復着床不全、子宮内膜症)
・不育症(反復流産、習慣流産)
・血栓症
・38歳以上のこれから体外受精を実施する方
・38歳未満で、体外受精で着床しなかった方
・その他
検査結果はいつわかる?
採血から結果判定まで2週間〜1ヶ月程度です。
血栓を予防する治療の詳細情報は?
血流障害や血栓予防の目的で、低用量アスピリン療法やヘパリン療法を実施することにより生児獲得率が上昇したという研究結果が出ています。
よくあるご質問 2/2
血栓を予防する治療における副作用等のリスクは?
薬剤によるアレルギー反応、出血傾向などの副作用の報告がありますが、適切に管理することにより安全に治療することが可能です。
治療期間はどのくらい?
治療歴や流産歴などにより治療期間は前後致します。
検査費用および治療費用はどのくらい?
30,000円〜50,000円程度です。
コメント
原因不明の不妊症・不育症の方の中に、既存の検査ではわからないような抗リン脂質抗体が陽性の方が多くいると考えられます。抗血小板療法(低用量アスピリン)や抗凝固療法(ヘパリン)で、赤ちゃんを抱っこできるかも知れません。
原因が不明なのではなく、検索不十分なことのないように徹底的に調べましょう。