高濃度ヒアルロン酸含有培養液 反復着床不全での使用

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高濃度ヒアルロン酸含有培養液

反復着床不全での使用

 

「高濃度ヒアルロン酸含有培養液 反復着床不全」  津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)

 

日本生殖医学会 生殖医療ガイドライン

反復着床不全に高濃度ヒアルロン酸含有培養液は有効か?

高濃度ヒアルロン酸を含む胚移植用培地は不妊治療に有効か?

 

  1. 胚移植用培地に付着性化合物として高濃度ヒアルロン酸を加えることで、臨床的妊娠率と出生率が向上することが示されている。(B)
  2. 反復着床不全の患者に対する高濃度ヒアルロン酸を含む胚移植用培地の使用は、妊娠成績を改善させる可能性がある。(B)

 

                         「推奨レベル(B):実施すること等が勧められる」

 

 

ヒアルロン酸

 

 付着補助物質の一つとされる高濃度ヒアルロン酸を含む胚移植培養液の使用は、移植された胚の周辺の粘稠性を高めることにより子宮内膜への胚の結合を向上させ、子宮への胚の着床を補助します。

 ヒアルロン酸は、卵胞液や子宮内膜中に存在します。細胞と細胞間の接着や、細胞と基質間の接着などに関与しています。

  CD44はヒアルロン酸の受容体で、胚や子宮内膜間質に発現します。その発現量は、子宮内膜が最も胚の受容能を獲得する着床期に最高値となります。

 

 

体外受精において、高濃度のヒアルロン酸を含む培養液で胚を移植すると、より多くの出生数が得られるか? | Cochrane

 

体外受精・顕微授精を受けた2735歳の女性6704人を含む26件の研究を特定した。これらの研究は、高濃度のヒアルロン酸を含む培養液を用いた胚移植と、ヒアルロン酸を含まないまたは低濃度の培養液を用いた胚移植を比較していた。

主な結果

高濃度のヒアルロン酸を含む培養液を用いた胚移植は、低濃度またはヒアルロン酸を含まない溶液を用いた場合と比較して、おそらく出生数が増加すると考えられる(10件の研究)。低濃度またはヒアルロン酸を含まない培養液が33%の確率で生児出産をもたらす場合、高濃度の溶液は生児出産の確率を3744%に増加させる。高濃度ヒアルロン酸溶液で14個の胚を移植するごとに、1人多くの赤ちゃんが生まれる計算である。

胚移植液中のヒアルロン酸濃度が高いと、おそらく臨床妊娠数(17研究)、多胎妊娠数(7研究)も増加すると思われる。

高濃度のヒアルロン酸を含む培養液を使用すると、流産がわずかに減少する可能性がある(7件の研究)。しかし、結果にばらつきのある研究を除いても、私たちの解析では明確な違いは認められなかった。

報告された有害事象には、異所性妊娠(胚が子宮外に着床した場合)、胚や胎児に影響を及ぼす異常などがあった。どちらのタイプの培養液(ヒアルロン酸濃度が高いものと低いもの)でも同程度の有害事象が報告されていたが、培養液中のヒアルロン酸濃度が有害事象の報告数に影響を与えるというエビデンスは見当たらなかった。

結論

ヒアルロン酸を高濃度に含む溶液を用いた胚移植は、おそらく体外受精・顕微授精での出生数を増加させると考えられる。高濃度のヒアルロン酸を含む胚移植用の溶液は、流産率をわずかに低下させる可能性がある。

 

 

反復着床不全での高濃度ヒアルロン酸含有養液の使用

                             無作為化比較試験例

43歳以下で4回以上の反復不成功例の新鮮初期胚移植

  「着床率、臨床妊娠率、継続妊娠率/出生率で有益」

・過去の不成功例における新鮮胚盤胞移植

  「有意に臨床的妊娠率を増加」

40歳未満で胚移植不成功の既往が4回以上

  「新鮮胚移植、自然周期での凍結融解胚移植、ホルモン調整周期での凍結融解胚移植における臨床的妊娠率は有意に増加」

・受精後3日目と5日目の新鮮胚移植

 「着床率は35歳以上、1回以上の着床不全、胚の質が低い場合で、効果がより顕著」

3回以上の不成功例を対象とした凍結初期胚移植

 「有意に着床率と臨床的妊娠率を増加」

 

 

ドナー卵子と自己卵子における胚移植用培地へのヒアルロン酸の効果
effect of hyaluronic acid in embryo transfer media in donor oocyte cycles and autologous oocyte cycles: a systematic review and meta-analysis | Human Reproduction | Oxford Academic (oup.com)

 

自己卵子周期において、胚移植培地にヒアルロン酸を含んでいる場合、出産率は32%から39%に増加しました(リスク比(RR1.22)。

ヒアルロン酸濃縮培地は、臨床妊娠率と多胎妊娠率をそれぞれ5% (RR 1.11)と8% (RR 1.49)増加させました。

逆に、ドナー卵子周期では、ヒアルロン酸添加は出産率と臨床妊娠率にほとんど効果を示しませんでした。

胚移植培地へのヒアルロン酸の添加が、自己卵子細胞を有する周期において臨床的に有益であることを示しています。

 

 

高濃度ヒアルロン酸含有培養液の使用は、反復着床不全を含め、胚移植の成績に一定の効果があります。

着床率の向上を目的として、保険で3,000円です。