2023/01/23
慢性子宮内膜炎の診断基準
「慢性子宮内膜炎の診断基準」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)
慢性子宮内膜炎の検査結果陰性化率に対する抗生剤治療の影響
CD138陽性形質細胞は間質で確認されました。
1標本につき少なくとも50の高倍率視野を検査しました。
生検標本は、10HPFあたり<1個の形質細胞が確認された場合は慢性子宮内膜炎陰性、10HPFあたり≧1個の形質細胞が確認された場合は陽性として等級づけされました。
軽度の慢性子宮内膜炎は形質細胞数<10/10HPF、重度の慢性子宮内膜炎は形質細胞数≧10/10HPFと定義しました。
慢性子宮内膜炎と不育症を有する女性における妊娠の予後
Pregnancy outcomes in women with chronic endometritis and recurrent pregnancy loss (fertstert.org)
これらのマーカーの発現は以下のようにスコア化されました。
0=なし、<1/hpf(×40)
1=1〜5/hpf または 20細胞未満のクラスター
2=6〜20/hpf または 20細胞以上のクラスター
3=>20/hpf または 細胞のシート
慢性子宮内膜炎は、CD138染色による1~5個の形質細胞/hpfまたは<20個の形質細胞の分離したクラスターの存在として定義されました。
不正出血または生殖不全を有する閉経前女性における慢性子宮内膜炎の有病率と交絡因子について
慢性子宮内膜炎の診断基準はしばしば異なります
慢性子宮内膜炎の有病率と診断に使用された基準(1)
著者 慢性子宮内膜炎の有病率 使用される診断基準
不育症
ゾルガドリら、2011年 61/142 (43.0) H&E 1つ以上の形質細胞/HPF
チチネリら、2014年 190/360 (52.8) H&E 1つ以上の形質細胞/HPF
マックイーンら、2014年 35/395 (8.9) H&E セクション全体で1つ以上の形質細胞
マックイーンら、2015年 60/107 (56.1) 1つ以上のCD138細胞/HPF
ブエら, 2016 14/51 (27.5) 5つ以上のCD138細胞/10HPF
反復着床不全
ジョンストン・マカナニー他、2010年 10/33 (30.3) 1つ以上のCD138細胞/HPF
チチネリら、2015年 61/106 (57.5) H&E 1つ以上の形質細胞/HPF
ブエら, 2016 6/43 (14.0) 5つ以上のCD138+ 細胞/10HPF
H&E、ヘマトキシリンおよびエオジン ; HPF、高出力フィールド
慢性子宮内膜炎の有病率と診断に使用された基準(2)
著者 慢性子宮内膜炎の有病率 使用される診断基準
不正子宮出血
バイエル・ガーナーら、2004年 20/47 (42.6) セクション全体に1つ以上のCD138細胞
カンナーら、2012年 26/50 (52.0) 1つ以上のCD138細胞/10HPF
不妊
カシウスら、2011年 17/606 (2.8) セクション全体に1つ以上のCD138+細胞
陳ら, 2016 9/37 (24.3) セクション全体に5つ以上のCD138細胞
子宮内癒着
陳ら, 2016 29/82 (35.4) H&E セクション全体で1つ以上の形質細胞
コメント
慢性子宮内膜炎の診断基準は確立されていません。
当クリニック契約の検査機関では、高倍視野平均3個以上としています。