2022/12/10
大きな卵巣嚢腫と付属器捻転の患者に対する卵巣温存術
–インドシアニングリーン静注による確認動画
「卵巣嚢腫茎捻転に対する卵巣温存術」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)
術中の主観による卵巣虚血の過大評価は、不必要な卵巣摘出術につながる可能性があります。米国産科婦人科学会の勧告によると、付属器捻転の患者は卵巣の外観にかかわらず卵巣温存手術が行われるべきです。
卵巣は骨盤漏斗靭帯に沿って何度もねじれ、明らかに壊死し、大きな嚢胞があるにもかかわらず、再還流します。片側卵管卵巣摘出術は回避可能です。
付属器捻転:診断と管理戦略に関する総説
Adnexal torsion: a review of diagnosis and management strate… : Current Opinion in Obstetrics and Gynecology (lww.com)
付属器捻転の一般的な所見は、腹痛、吐き気、嘔吐、付属器腫瘤または卵巣腫大です。「渦巻き像」、「卵胞輪像」、卵巣の腫大および浮腫、卵巣へのドップラー流の欠如は、付属器捻転を強く示唆するものです。
術中の卵巣壊死の目視診断は非常に不正確であり、病理検査で壊死している卵巣はわずか18-20%です。壊死したように見える卵巣でも、術後1年の超音波検査で卵胞の活性があることが示されています。
生殖可能年齢の患者においては、術中の組織壊死診断率が低いことから、組織が壊死しているように見える場合でも、卵巣温存を伴う剥離術を行うことを勧めます。
コメント
生殖可能年齢の患者においては、
術中の卵巣壊死の目視診断は非常に不正確ですので、
卵巣嚢腫茎捻転を解除した後、
インドシアニングリーンを静注して血流が再開されるようでしたら、
卵巣温存手術が検討できるかも知れません。