2.1PN

2.1PN

pronuclear:PN 前核

 

「2.1PN」  津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)

 

前核(PN)とは

 

卵子と精子が受精をすると、受精卵の中に2個の前核(pronuclearPN)が出現します。

この受精卵を2前核期胚(2PN胚)と言い、正常受精とされます。

1個の前核は卵子由来で雌性前核、もう1個の前核は精子由来で雄性前核と言います。

雌性前核と雄性前核は、その大きさや見え方がほぼ同じである上に、精子の尾部は見えなくなるために、区別はほとんどつきません。

雌性前核の中には母親由来の染色体、雄性前核の中には父親由来の染色体が入っている袋のような構造をしています。この黄色の袋を核膜と言います。

 

 

3PN(異常受精)について

 

PN(1個多い!)

1)精子が2個受精(異常)

2)卵子の染色体異常

    (はじめから2倍の染色体だった)

 

 

PNの評価

 

体外受精や顕微授精を実施した翌日に、卵子の観察を行い、受精状態の確認を行います。

正常受精は2PN胚のみで、3PN胚は異常受精とされています。

3PN胚由来の胚盤胞にも正常胚が含まれていることが報告されています。

 

 

2.1PN胚とは

 

通常の大きさの前核2個と、直径がその1/3以下の小さな核1個が見られる胚を言います。

 

 

異常受精卵が健康児を生むことがあります
Abnormally fertilized oocytes can result in healthy live births: improved genetic technologies for preimplantation genetic testing can be used to rescue viable embryos in in vitro fertilization cycles (fertstert.org)

 

成熟卵への顕微授精で、0.7%が2.1PNでした。

2.1PN由来の胚盤胞の85.7%が正常胚で、残りは3倍体でした。

2.1PN胚から2人の健康児が生まれました。

 

 

通常サイズの二前核と小さい前核を認める2.1PN胚のICSIにおける出現率と臨床成績
                    日本受精着床学会雑誌 39(2):227-234,2022

 

・顕微授精(ICSI)における2.1PN胚の出現要因に関する報告はほとんどなく、妊孕性についての報告も少ない。ICSIにおける2.1PN胚の出現率は0.9%で、年齢が上昇するにつれ出現率も有意に高くなり、卵子の老化が出現要因の一つと思われた。

2.1PN胚は2PN胚と比較して胚盤胞への発育は不良で、胚盤胞凍結率が有意に低かった。

2.1PN胚の凍結融解単一胚移植の臨床的妊娠率は25.9%、流産率は71.4%、継続妊娠率は7.4%だった。