2022/11/16
プロゲステロン投与6日または7日後の凍結融解胚盤胞移植:ホルモン補充療法周期における出生率への影響
「着床の窓」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)
プロゲステロン補充6日目(P+5)と7日目(P+6)で、出生率36.6%は同等でした。
しかし、P+5に移植した6日目胚盤胞の流産率50.0%は、 P+6の21.4%と比較して有意に高値でした。
さらに、6日目胚盤胞をP+5に移植した場合の出生率21.5%は、P+6の35.5%と比較して低くなる傾向がみられました。
5日目胚と6日目胚をP+5、P+6で比較
凍結融解胚移植;FET
hCG;ヒト絨毛性ゴナドトロピン
5日目胚 6日目胚
P+5 P+6 P+5 P+6
hCG陽性/FET 63.9% 55.0% 46.8% 50.0%
生化学妊娠/FET 5.6% 6.2% 2.1% 4.8%
生化学妊娠/hCG陽性 8.7% 11.2% 4.5% 9.7%
臨床妊娠/FET 58.3% 48.8% 44.7% 45.2%
臨床流産/FET 13.1% 10.4% 22.3% 9.7%
臨床流産/hCG陽性(生化学妊娠は除く) 22.4% 21.4% 50.0%21.4%
出産 42.5% 36.9% 21.5% 35.5%
着床の窓
window of implantation
子宮内膜が胚を受け入れることができる期間を、「着床の窓」と言います。この窓は、排卵から5日日に開き、2~3日で閉じると考えられています。
「着床の窓」が開く、あるいは閉じるタイミングが前後にずれている場合が25~30%あります。
子宮内膜胚受容能検査は、このずれを見つけ、胚移植の時期を調整します。着床の窓の期間に胚が子宮内膜に接着しなければ、着床しません。
ずれがあると妊娠率が低く、調整して胚移植をすると、ずれの無い場合と同様の妊娠率になります。
まとめ
6日目胚盤胞をP+6に移植すると、P+5と比較して、出生率が高く、流産率が低くなります。
「着床の窓」にずれが無いことはとても重要です。ずれがある場合は、調整して胚移植をするとずれの無い場合と同様の妊娠率になります。
子宮内膜胚受容能検査により、少ない回数の胚移植で妊娠する可能性があります。
卵巣機能低下など胚数が限られる場合は、初回胚移植時から子宮内膜胚受容能検査を施行しても良いかも知れません。