タモキシフェンと妊娠

タモキシフェンと妊娠

 

「タモキシフェンと妊娠」  津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)

 

生殖補助医療を用いた乳がん後の妊娠と長期予後への影響
Pregnancy following breast cancer using assisted reproduction and its effect on long-term outcome (lidegaard.dk)

 

満期妊娠は自然妊娠群77%、生殖補助医療ART76%で達成されました。

妊娠から最終フォローアップまでの平均経過期間は、自然妊娠群が63カ月、ART群が50カ月で、両群間に乳がんの転帰に差は認められませんでした。

乳癌の既往のある女性におけるARTを用いた妊娠は実現可能であり、癌の転帰に有害であるとは思われません。

 

 

タモキシフェンと妊娠:絶対禁忌でしょうか?
Tamoxifen and pregnancy: an absolute contraindication? (proquest.com)

 

記載された奇形は非特異的なもので、タモキシフェンに曝露されているにもかかわらず、大部分の症例は健康な乳児に関するものでした。

妊娠中にタモキシフェンを服用すると、胎児異常のリスクが増加するようですが(一般集団の3.9%に対し、12.6%)、証拠は限られており、因果関係は確立されていません。

タモキシフェンの服用延期や中止が母体予後に及ぼす不利益の可能性は不明です。

妊娠中のタモキシフェンの使用について、絶対禁忌であると提示するのではなく、患者さんにカウンセリングを行うべきです。

 

 

タモキシフェン投与中の母体から出生した乳児の追跡調査報告
2056756.pdf (hindawi.com)

 

母親が乳癌の治療でタモキシフェンを投与され、妊娠に気づかなかった乳児の症例

妊娠296日、出生体重1664gで生まれた乳児には先天性異常はありませんでした。

5年間のフォローアップ期間中、正常に成長・発達しました。

 

 

日本がん・生殖医療学会 | チェック項目 (j-sfp.org)

 

治療終了後いつから妊娠可能と判断されるかについては、催奇形性など胎児や児に影響を及ぼしうる治療については考慮する必要があります。

タモキシフェン内服中の妊娠は催奇形性があり禁忌とされています。タモキシフェンの代謝産物が体内から消失するには、内服終了後約2ヶ月かかるとされ、内服終了後2ヶ月は避妊が必要です。

 

 

タモキシフェン錠の添付文書
ノルバデックス錠10mg.pdf

 

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1)外国において、本剤を投与された患者で自然流産、先天性欠損、胎児死亡が報告されており、また、本剤は、動物実験で 妊娠及び分娩への影響並びに胎児への移行が認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。治療に際して妊娠していないことを確認すること。また、治療中はホルモン剤以外の避妊法を用いること。

2)授乳中の投与に関する安全性は確立していないので、授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。

 

 

コメント

 

妊娠中のタモキシフェン内服を否定しない論文や、母体がタモキシフェンを内服していても赤ちゃんには異常がなかったとする論文がありました。

しかしながら、薬剤の添付文書や、日本がん・生殖医療学会が、妊娠中の使用を禁忌と明記している以上、日本での使用は難しいでしょう。

しかも、日本がん・生殖医療学会が、「内服終了後2ヶ月は避妊が必要です」としていますので、妊娠が判明したら中止するとか、排卵誘発剤として使用する方法はできないと思います。