2022/11/08
卵子成熟度の低さは、体外受精および顕微授精による出産率の低下と関連しています
Low oocyte maturity ratio is associated with a reduced in vitro fertilization and intracytoplasmic sperm injection live birth rate (binasss.sa.cr)
「卵子成熟度」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)
卵子成熟群の頻度と結果
卵子成熟度が低いことは、出産率の低下(調整オッズ比 0.41)および臨床妊娠率の低下(同 0.32)と関連していることがわかりました。
卵子成熟度と流産率(同 0.25)、受精率との関係は認めませんでした。
採卵数当たりの正常受精胚数は、採卵時の成熟度と関連することが判明しました。
無排卵の患者は、卵子成熟度がわずかに低下していました。
コメント
卵子成熟度の低さは、妊娠率や出産率の低下など体外受精の成績不良に関わる重要な因子です。
卵巣刺激中の薬剤は、両側(少なくとも同側)のすべての卵子に同じように到達するように感じますが、成熟度や質に大きな違いが出ます。
最も大きい胞状卵胞ではなく、最も数の多い小さい胞状卵胞群に標準を合わせて卵巣刺激を開始するか、卵胞刺激ホルモンを事前に低下させて胞状卵胞の大きさをそろえる等の準備が良いかも知れません。
そもそも、胞状卵胞の大きさが違うことや、始めから大きいことは卵巣機能の低下を表しますので、機能を整えてからスタートしましょう。