2022/10/20
子宮内膜を厚くする方法
子宮内膜発育不全
「子宮内膜を厚くする方法 子宮内膜発育不全」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)
子宮内膜発育不全とは
・子宮内膜の発育は着床と妊娠に重要ですが、子宮内膜の発育が不十分で薄い場合があります。
・子宮内膜発育不全の子宮内膜の厚さは、超音波検査の計測で8mm未満としていることが多いようです。
・子宮内膜発育不全では、妊娠率が低くなります。
子宮内膜発育不全の原因
クエン酸クロミフェンによる抗エストロゲン作用
子宮内膜掻把術等
子宮内膜血流不全;月経周期全期間の血流低下
クエン酸クロミフェンによる抗エストロゲン作用の治療
クエン酸クロミフェンの副作用である子宮内膜発育不全は、子宮内膜への抗エストロゲン作用によるもので、子宮内膜の血流変化は関与せず、子宮内膜の血流動態は良好です。
血流改善薬では効果が期待できず、クエン酸クロミフェンの使用量の減量や、早期開始早期終了の使用で子宮内膜が発育します。
子宮内膜血流不全の治療
ビタミンE(ニコチン酸トコフェロール 600㎎/日)
微小循環賦活作用、活性酸素を抑制する抗酸化作用を持つとされ、種々の臓器で血流を改善します。
L―アルギニン 6g/日
一酸化窒素産生により血管平滑筋を弛緩させて、血流を増加させます。
ビタミンE と L-アルギニンの併用により、子宮内膜厚が改善することもあります。
クエン酸シルデナフィル腟座薬 100㎎/日
血管平滑筋を弛緩させて、血流を増加させます。
低用量アスピリン
血小板凝集抑制作用
血流促進は子宮内膜以外にも、卵胞や黄体へも好影響を与え、黄体機能不全に効果があります。
子宮内膜厚と卵胞ホルモンの関係
卵胞の発育に伴って卵胞ホルモン値が増加し、それとともに子宮内膜が発育します。
卵胞ホルモン値が自然周期の排卵時期の約200pg/mlを大きく超えた場合、卵胞ホルモン値と子宮内膜厚に相関はありません。
卵胞ホルモン値が200pg/mlを大きく下回っている時には子宮内膜の発育不良になり得ますので、卵胞ホルモンを増加させる治療が有効な場合があります。
子宮内膜血流不全による子宮内膜発育不全では、卵胞ホルモンの使用はあまり効果が期待できません。
その他
顆粒球コロニー刺激因子 G-CSF 300μg
卵巣機能低下に伴う卵胞ホルモンの減少により、子宮内膜の萎縮が長期間に及んでいる場合に効果を認めることがあります。
前述の治療が無効な際に、考慮します。
ペントキシフィリン
毛細血管の拡張作用