染色分体早期解離 多彩異数性モザイク症候群

染色分体早期解離(premature chromatid separation

多彩異数性モザイク症候群(mosaic variegated aneuploidy

 

 

中心体とは動物細胞における細胞小器官の一つで、中心小体2つより成ります。

 

 

細胞分裂

 

中心体は、細胞分裂の際に、複製を作って両極に移動し、染色体に紡錘糸を付着させ、染色体を引き寄せます。

 

 

染色分体早期解離、多彩異数性モザイク症候群の染色体

08-b.pdf (cytogen.jp)

 

すべての染色分体が弓状の形を保ったままで分離していて、互いに並んでいるものと離れているものとがあります。

 

 

染色分体早期解離
多彩異数性モザイク症候群

 

100万人に1人、保因者は200-300人に1人の、常染色体劣性の染色体不安定症候群です。

染色分体間の接着を司るコヒーシンの機能低下により細胞分裂中期に染色分体早期解離を来します。紡錘体チェックポイントの機能不全のために紡錘体の動原体接続に異常が生じてもチェックされずに細胞周期が進行します。

子宮内胎児発育遅延、重度の小頭症、精神発育遅滞、知的障害を呈します。小脳虫部の低形成・Dandy-Walker奇形・白内障を伴い、生後数ヶ月から難治性けいれんを発症します。ときに小眼球症、口蓋裂、男児の外性器異常を認めます。

ほぼ全例がWilms腫瘍や横紋筋肉腫、急性白血病などの小児がんをを発症します。Wilms腫瘍は生後2〜16ヶ月で通常よりも早く発症し、両側性のことを多く認めます。腫瘍組織は腎嚢胞を伴って成熟度が比較的高くなります。

悪性腫瘍の早期診断と治療が重要です。紡錘体チェックポイント機能が破綻しているので、紡錘体重合を阻害するビンクリスチンやタキソールの使用には注意が必要です。

 

 

 

 

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