2022/07/19
人工授精において、精子は子宮腔まで注入(IUI)すべきなのでしょうか?それとも子宮頚管内まで(ICI)で良いのでしょうか?
自然周期における凍結保存されたドナー精子による、ICIとIUIの比較
女性の平均年齢は、両治療とも34歳でした。
ICIに割り付けられた51人の女性(24%)とIUIに割り付けられた81人の女性(39%)で生児につながる妊娠が発生しました(RR 0.63)。
プロトコールごとの解析では、8ヶ月の治療期間中に、48人(38%)がICI後に、79人(56%)がIUI後に出産しました(RR 0.68)。
自然周期における凍結保存されたドナー精子を用いたICIは、IUIよりも生児出生率で劣るため、IUIが好ましい治療法です。
妊娠可能な独身女性におけるIUIとICIの比較
月間出産率はIUIは15%で、ICIは9%でした(P=0.14)。
人工授精を1回だけ行った周期(IUI64周期、ICI65周期)に限定して解析したところ、月間の出産率はIUIで14%、ICIで5%でした(P=0.04)。
凍結ドナー精子によるIUIは、不妊症であることが知られていない独身女性にとって、ICIよりも効果的です。
不妊症に対するドナー精子によるICIとIUIの比較
Cervical insemination versus intra‐uterine insemination of donor sperm for subfertility – Besselink, DE – 2008 | Cochrane Library
6周期後のIUIはICIと比較して、出生率(オッズ比1.98)および妊娠率(同 3.37)を著しく改善することが示されたエビデンスです。
自然周期での凍結保存されたドナー精子によるIUIまたはICI
治療6周期までの累積継続妊娠率は、IUIが40.5%、ICIが37.9%でした。
これは、女性の年齢と適応症を制御した後のハザード率比1.02に相当します。
津田沼IVFクリニックより
IUI>ICIとする報告が多数を占めます。そもそも、わざわざICIをすることはありません。
人工授精の成功率を高めるポイントは、
1)痛みや出血がない、或いは少ないこと
2)精液を子宮頚管内から子宮腔内に広く注入すること、
排卵前では子宮腔内に勢いよく注入すること
3)「人工授精の日程」と「精液調整」が、何よりも大切です。
https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12754138426.html