2022/07/06
移植を拒まれたPGT-A生検異常胚の体外受精成績
IVF outcomes of embryos with abnormal PGT-A biopsy previously refused transfer: a prospective cohort study | Human Reproduction | Oxford Academic (oup.com)
PGT-A;preimplantation genetic testing for aneuploidy 着床前胚染色体異数性検査
胚盤胞の一部をちぎって検査へ(正常胚でも約半分がダメになります)
研究課題
PGT-Aで異常と診断された胚を病院が移植を拒否した後、新しい病院に移送することを選択した患者の転帰はどのようなものでしょうか?
まとめ
多くの患者は、PGT-A異常栄養外胚葉細胞生検の胚を選択し、妊娠や出産の可能性があることを認識した上で移植を希望されています。
すでに知られていること
: PGT-Aは、数個の細胞の生検に基づいて移植用の胚を選択する広く行われている方法です。
多くの臨床現場では、他に正常な胚がない場合でも、PGT-Aによる異常胚の移植を拒否しています。
研究デザイン、規模、期間
2014年以降、元の病院で移植を拒否されたPGT-A異常胚計444個を当院に移した69組の前向きコホートです。
このうち、50名の患者さんが、これまでに、141個の胚の57回の移植を受けました。
参加者
採卵時の女性年齢は41.35±3.98歳で、74%が白人、12%がアジア系、10%がアフリカ系でした。
主な結果と偶然性の役割
141個の胚のうち、102個(72.3%)は1個または2個の染色体異常、30個(21.3%)は3個以上、9個(6.4%)はDNAの劣化により「診断不能」であり、それでも移植は拒否されました。
PGT-A異常胚の移植により、8人の生児が生まれ、11人が流産し、人工妊娠中絶はありませんでした。
1人の子供はゲノム重複を伴って生まれ、新生児期に大動脈の狭窄の修復を必要としました。
PGT-A異常胚のみを持つ多くのカップルは、PGT-A異常胚の移植を希望し、そのような移植は、継続的な正倍数体妊娠の確立と生児をもたらすことができます。
限界、注意すべき理由
この症例集積の結果は、他の場所で胚移植を拒否された後に胚移植を選択したカップルを表しており、一般的にPGT-Aによる体外受精を受けたカップルの広い集団を代表しているとは限りません。
すべての異常表現型が出生直後から現れるわけではないので、これらの子供の発達を継続的に追跡することが重要でしょう。
本結果がもたらす広範な影響
PGT-Aは、モザイク状の所見であっても、PGT-A異常生検の胚移植を拒否する可能性があり、その結果、多数の不妊女性が第三者からの卵子提供しか母親になるチャンスがないと早々に告げられることになります。
https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12751987656.html