2022/05/28
精液アレルギー
はじめに
精液は、精子と精漿とからなります。
精液アレルギーは、精漿中のある糖蛋白(前立腺特異抗原という酵素?)に対する即時型アレルギー反応です。
非常にまれな疾患です。
背景にアトピー体質があることがほとんどです。遺伝との関連も言われています。
多くは複数の男性にアレルギー反応を起こしますが、特定の男性の精液のみに反応する女性もあります。
初めての性交でアレルギー症状が出ることもあります。また、同じパートナーと長年の性行為で突然発症することもあります。
症状
多くは性交後1時間以内に症状が出現しますが、数時間後のこともあります。
外陰部~腟の症状;かゆみ、浮腫、疼痛、灼熱感、蕁麻疹など
全身症状;急激な発熱・発汗・鼻閉・眼のかゆみ・筋肉痛
蕁麻疹、喘息発作、呼吸困難、アナフィラキシーショックなど
これらの症状は、コンドームを装着した性交では起こりません。
治療
挙児希望のない場合
コンドームを使用する。
挙児希望のある場合
症状が軽度の場合、性交の1時間くらい前に抗ヒスタミン薬を内服または塗布する。
脱感作療法;1000倍、100倍、10倍の3段階に希釈した精液2mlを20分間隔で腟内に注入します。過敏な反応を抑える治療です。その後、週に2回の性交を持ち続けます。
人工授精(アレルギー反応が起こることがあります)
体外受精などの生殖補助医療(アレルギー反応が起こることはありません)
https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12745120229.html