2022/05/25
抗透明帯抗体
透明帯とは
卵細胞の周囲に存在する構造物で、糖タンパク質により構成されます。
機能
・卵母細胞の発育促進
・精子の認識、先体反応の誘起
・多精子受精の阻止
・分割胚の保護など
着床は胚盤胞が透明帯から孵化して起こります。
抗透明帯抗体陽性の病態
抗透明帯抗体が透明帯に結合して、精子の侵入を阻害して受精障害を起こしたり、胚盤胞が透明帯から出られない孵化障害を起こしたりします。
卵母細胞の発育促進、精子の認識、先体反応の誘起、多精子受精の阻止、分割胚の保護などの透明帯の機能も障害されます。卵巣予備能低下の恐れもあります。
こうして不妊症の原因となります。
体外受精での受精不良、卵巣刺激に対する低反応、良好胚移植の反復不成功、原因不明の不妊症などで、抗透明帯抗体陽性のことがあります。
抗透明帯抗体陽性への対応
抗透明帯抗体による受精障害は顕微授精により解決できます。
孵化障害に対しては、透明帯の菲薄化を行います。
抗ミュラー管ホルモン検査により卵巣予備能低下が疑われる場合には、早めに治療のステップアップを検討します。
https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12744602579.html