2022/05/10
肥満と着床不全
肥満は着床不全の原因となり、BMI27以上で流産率が、30以上で反復流産が上昇します。
肥満とは、「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)25以上のもの」
肥満度分類(日本肥満学会)
BMI(kg/m2) 判定
<18.5 低体重
18.5≦BMI<25.0 普通体重
25.0≦BMI<30.0 肥満(1度)
30.0≦BMI<35.0 肥満(2度)
35.0≦BMI<40.0 肥満(3度)高度肥満
40.0≦BMI 肥満(4度)高度肥満
BMI=体重(kg)÷身長(m)2
肥満は、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、心血管疾患などの生活習慣病をはじめ多くの疾患の元となるとされています。
BMI22.0を標準体重(理想体重)としていますが、最もこれらに疾患が少ないとされています。
肥満と不妊症
肥満では、妊娠するまでの期間が長くなることが知られています。
生殖補助医療での妊娠率と出生率が低く、流産率が高くなることが報告されています。
肥満が、妊娠に悪影響となる理由
ホルモン分泌?
卵子の質?
胚発育?
着床?
論文紹介1
母体のBMIは、母体由来の胚異数性の割合の増加とは関連がありません
論文紹介2
肥満女性と正常体重女性における胚盤胞形成は同様:形態動態研究
Blastocyst formation is similar in obese and normal weight women: a morphokinetic study | Human Reproduction | Oxford Academic (oup.com)
論文紹介3
母親のBMIの平均値の違いと不育症の関係:観察研究のシステマティックレビューとメタアナリシス
母親のBMIと不育症との関連を支持するものでした。
論文紹介4
着床前遺伝子検査を伴う体外受精を受けた患者のBMIと胚の倍数性との関連はありません
論文紹介5
女性の肥満は、正常胚の流産リスクを高めます
肥満が、妊娠に悪影響となる理由は
着床、つまり、子宮環境によるようです。
食事制限と運動
食事制限と運動により、妊娠率が約1.6倍になるとする報告があります。
日常的に運動すると妊娠率が約3.2倍になるとする報告があります。
生殖補助医療では、採卵は早めに、胚移植までにダイエットを成功することが、効果的なようです。
https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12741957873.html