精索静脈瘤

精索静脈瘤

 

 

精索静脈瘤とは

 

陰嚢内の精巣静脈が蛇行・拡張してこぶ(瘤)を伴い、皮膚の表面に透けて見えるようになったものです。

精巣からの静脈血の逆流を防ぐ弁の機能不全のため、陰嚢内の血液が貯留し静脈が拡張します。

 

 

症状

 

成人男性の15~20%に存在し、大部分は左のみです。

不快感、引きつった感覚、陰嚢の腫脹、疼痛などの症状を認めることがあります。

男性不妊症原因の30~40%(二人目不妊では約80%)を占めるとされています。静脈血のうっ滞による陰嚢内の温度上昇や、精巣内低酸素、有毒物質の逆流などによるとされています。

 

 

精索静脈瘤の診断 GRADE分類

 

Grade1 立位(座位)腹圧負荷で触診で診断できます。

Grade2 立位(座位)腹圧負荷なしで触診で診断できます。

Grade3 立位(座位)腹圧負荷なしで視診で診断できます。

 

患者さんが静脈瘤を自覚し、疼痛を伴うこともあります。

 

GRADE2、または静脈内径3.0MM以上が手術適応
(手術推奨 ①2年以上の不妊期間②妻は異常なし③精液所見異常④精液所見の悪化⑤疼痛⑥血清テストステロン値低下、FSH高値)

 

 

造精機能障害に対する精索静脈瘤手術の有用性

 

手術方法

 

精巣静脈のみを結紮して血液の逆流を遮断し、うっ血を改善します。

 

手術の有用性

 

手術後3~6か月で、精液所見の改善(70~80%)や、自然妊娠や人工授精の妊娠率・生殖補助医療の成績改善などが報告されています。

賛否ありますが、精子DNA断片化率の改善の報告があります。

 

 

 

https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12739454693.html