2022/04/23
胞状奇胎(妊娠性絨毛性疾患、奇胎妊娠)
胞状奇胎とは
(原因) 胞状奇胎は、精子と卵子が受精する際、染色体の組み合わせが異常なときに発生します。
(分類) 完全胞状奇胎では、子宮内に嚢胞の塊が形成されます。
部分胞状奇胎では、受精卵と胎盤が一緒に発育を始めますが、受精卵は生き残りません。
(症状) 妊娠5週頃から性器出血や悪心・嘔吐が出現し、これらは重篤な場合があります。
(治療) 子宮内の組織を取り除きます。まれに、奇胎組織が悪性化して化学療法が必要となることがあります。
受精
卵子と精子が受精をすると、受精卵の中に2個の前核(pronuclear:PN)が出現します。
この受精卵を2前核期胚(2PN胚)と言い、正常受精とされます。
1個の前核は卵子由来で雌性前核、もう1個の前核は精子由来で雄性前核と言います。
雌性前核と雄性前核は、その大きさや見え方がほぼ同じである上に、精子の尾部は見えなくなるために、区別はほとんどつきません。
雌性前核の中には母親由来の染色体、雄性前核の中には父親由来の染色体が入っている袋のような構造をしています。この黄色の袋を核膜と言います。
卵子と精子はそれぞれ23個の染色体を持ちますので、受精卵は46個の染色体となります。
正常受精
卵子と精子はそれぞれ23個の染色体を持ちますので、父親由来の23個の染色体と母親由来の23個の染色体が受精し、受精卵は46個の染色体となり、正常受精です。
完全胞状奇胎
染色体を持たない「空の」卵子に、23個の染色体を持つ精子が受精します。父親由来の染色体は23個で、母親由来の染色体はありません。父親由来の染色体を複製した46個の染色体を持つ異常受精となります。
部分胞状奇胎
2つの精子と卵子が受精します。父親由来の46個の染色体と母親由来の23個の染色体が受精し、受精卵は69個の染色体となり、異常受精です。
https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12738926200.html