2022/04/12
日本人不妊男性における精子DNA断片化指数の社内フローサイトメトリー解析による評価
AsianJAndrol24140-8348046_231120.pdf (ajandrology.com)
概要
精液検査は、古くから男性の生殖能力を評価するために行われてきました。
近年、いくつかの精子機能検査が開発されています。
その中でも、精子DNAの状態を表す精子DNA断片化指数(DFI)は、男性生殖能力の評価に適したパラメータであると考えられています。
しかし、日本人男性の精子DFIに関する大規模な研究は行われていません。
そこで我々は、精子クロマチン構造解析法(SCSA)の精子DNA断片化検査に基づくフローサイトメトリーによる精子DFI解析が、日本人の男性妊孕性を評価するために使用可能であるかどうかを検討しました。
本研究では、743名の不妊症の日本人男性と20名の妊娠歴のある日本人男性を登録しました。
再現性を評価するために、観察者間および観察者内の精度を分析しました。
精子DFIのカットオフ値を設定するために、受信者操作特性曲線分析を用いて、定時性交または子宮内人工授精によって子どもをもうけることができる男性を同定しました。
妊娠歴のあるボランティアにおける精子DFIのばらつきが明らかにされました。
精液パラメータと精子DFIの関係はスピアマンの順位相関係数で評価しました。
精度解析の結果、精子DFIの再現性は良好でした。
不妊男性における精子DNA断片化のカットオフ値は24.0%でした。
精液量と精子DFIは無関係でした。
精子濃度、精子運動率、総運動精子数、正常形態率は、精子DFIと有意かつ負の相関がありました。
精子DFIの中央値は、不妊男性(19.4%)よりも妊娠歴のあるボランティア(7.7%)の方が小さいです。
精子DNA断片化解析は、通常の精液分析では評価できない精子の機能を評価するために用いることができます。
https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12736963420.html