2022/03/16
子宮ポリープ状異型腺筋腫
子宮ポリープ状異型腺筋腫の特徴
性成熟期女性(平均約40歳)の子宮体部や子宮頚部に発生するポリープ状の腫瘍です。 主な症状は不正性器出血、過多月経、水様帯下、月経困難症、貧血などです。 20~30%に不妊症や肥満を合併します。 77%が子宮体下部や子宮頚管から発生します。 肉眼的に表面は平滑で、黄色~灰白色の単一あるいは多発性ポリープ状結節と言われていますが、淡赤色などの他色や、ポリープ状でないただの隆起性病変のこともありますので、子宮鏡での術前診断は困難と考えられています。 子宮ポリープ状異型腺筋腫は比較的稀な疾患であることと、子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫に類似した検査所見であるために、術前診断は非常に難しいとされています。
病理
良性病変です。 異型を伴う子宮内膜腺と異型のない平滑筋成分からなる間質が特徴です。正常周囲組織との境界は明瞭で、浸潤性増殖を呈することはありません。 高度な異型性や壊死を有するなど複雑型子宮内膜異型増殖症や高分化型類内膜腺癌の組織と類似、かつしばしば共存(約10~15%)しますので、鑑別が重要です。
治療と再発
治療 子宮鏡手術で病変を筋層まで十分に切除するとともに、遺残の有無を組織診します。
再発 約10~40%と報告されています。 再発までの期間は平均約14か月という報告がありますが、数年後に再発することもあります。 高率に残存または再発がおこりますで、長期間の慎重な経過観察が必要です。
「子宮ポリープ状異型腺筋腫」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)