2022/03/07
静脈麻酔
採卵術での使用
はじめに
採卵術には強い痛みと苦痛が伴います。
座薬などの鎮痛剤を事前に使用しても、効果はほとんどありません。
津田沼IVFクリニックでは、ほとんどの方に静脈麻酔を実施しています。
静脈麻酔
プロポフォールという麻酔薬を静脈内に注入します。
静脈血は1秒に約25cm、動脈血は50cm流れていますので、腕の血管に麻酔薬を注入すれば、鎖骨下静脈→腕頭静脈→上大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→左右総頚動脈を通って、5秒くらいで脳に到達して眠ってしまいます。麻酔がかかるまでの時間がとても短く、苦痛は全くありません。
眠った後は少量ずつ薬を追加注入して、麻酔を維持します。
呼吸抑制作用は弱く、すぐにいつもの呼吸を始めます。
鎮痛効果はないとされていますが、苦痛はなく採卵を行うことができます。鎮痛剤を併用すると、採卵後に強い吐き気を感じることが多いことと、歩行できるようになるまで数時間かかることがあります。
採卵終了の1分くらい前に注入を止めると、プロポフォールは作用時間が極めて短いので、採卵終了時には覚醒します。
看護師と一緒に歩いてベッドに戻ります。
痛みが出てくるようでしたら、鎮痛剤を内服します。
1時間くらい休んでから、私服に着替えます。
「静脈麻酔 採卵術での使用」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)