葉酸の過剰摂取 (2編の論文紹介)

葉酸の過剰摂取 (2編の論文紹介)

 

1.母親の葉酸サプリメント高用量摂取が4-5歳児の神経認知発達に及ぼす影響

ajcn152769 878..887 (silverchair.com)

 

背景

神経管欠損症を予防し、子孫の正常な脳の発達を確保するために、受胎前後の葉酸サプリメント(FAS)の使用が有効であることはよく知られています。

しかし、耐容上限摂取量(UL)(1000μg/日)を超える高用量のFASを母親が使用した場合、子どもの神経認知の結果に長期的に影響を及ぼすことが懸念されています。

 

結論

受胎前後の期間に UL1000 μg/日)を超える量の FAS を使用した場合、4-5 歳児の認知発達の低下と関連しました。

妊娠中のFAS用量1000μg/日の使用は、医学的に処方されていない限り、監視し、可能な限り防止する必要があります。

 

2.母体の適度な葉酸の補給は、マウスモデルにおける生殖補助医療に伴う胚および後成的な有害事象を改善させます

oup_humrep_dez036 851..862 ++ (silverchair.com)

 

主な結果と偶然性の役割

高用量ではなく中用量の補充は、発達遅延胚の割合の減少に関連していました。

中用量の葉酸補給は、胚および胎盤組織における特定のインプリント遺伝子におけるDNAメチル化の分散を減少させましたが、高用量補給はインプリント領域におけるARTの負の効果を悪化させました。

さらに、葉酸サプリメントは、女性に偏ったインプリント遺伝子の異常なメチル化を解消しました。

しかし、葉酸の補給は、さらにメチル化異常を引き起こし、それは男性においてより顕著でした。

「葉酸の過剰摂取」  津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)