胞状卵胞数について

今日のお勉強は、「胞状卵胞数について」です。

 

胞状卵胞数は、月経3日目頃に経腟超音波を用いて両側卵巣にある直径10mm以下の胞状卵胞を数える検査です。月経中の診察ですが、出血に関するお気遣いは不要です。主に体外受精開始時に行いますが、タイミング治療や人工授精の際でも行うことができます。

 

 

胞状卵胞数計測を行う意義

 

卵巣予備能を評価する方法のひとつで、その月経周期における卵巣刺激後の発育卵胞数を正確に予測することができるとされています。

年齢に伴う推移では3638歳で胞状卵胞数は急に下降しますが、もともと胞状卵胞数が少ない方では、すでに30歳以前に下降しています。

卵巣刺激においては、胞状卵胞数と体外受精時の採卵数との関連が示されており、胞状卵胞数が非常に多いと卵巣の過剰反応が、胞状卵胞数が非常に少ないと卵巣の反応不良が推測されます。このため、胞状卵胞数計測が排卵誘発法や薬剤投与量などの選択に有効となります。

 

 

胞状卵胞数の値と妊娠率に関連

 

卵巣予備能が正常な方では、胞状卵胞数の値と妊娠率・流産率・生児獲得率に差はありません。このことから、胞状卵胞数からは胚の質までは予測できないことがわかります。しかし35歳以上の卵巣予備能が低下した方では流産率が高く、高年齢女性では排卵数や採卵数はある程度は多い方が妊娠の期待は高いと思います。