子宮内膜着床能検査について

・・・自粛中の妊娠準備のために・・・  

 今日のお勉強は、「子宮内膜着床能検査について」です。

 

 子宮内膜は、卵巣から分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモンの作用を受けて周期的な変化をします。そして着床成立には、胚(受精卵)と子宮内膜の「話し合い」が不可欠です。子宮内膜に胚が着床できる期間は「着床の窓」として知られ、排卵後の分泌中期の月経周期1922日目頃とされています。子宮内膜の着床能の有無を、子宮内膜に特典的な248個の発現遺伝子を分析することで診断できる検査方法として「子宮内膜着床能検査」があります。体重が大きく変わらなければ検査結果は34年間有効です。

 

 形態良質な凍結融解胚盤胞を複数回移植して妊娠に至らない反復着床不全の原因として、胚移植の時期と子宮内膜の着床の窓が一致していないことが2530%にあり、その80%以上は12時間~2日遅く、20%弱は12時間~1日早く移植することにより着床が可能となります。

 

 子宮内膜着床能検査の適応

・反復着床不全:2回以上、良好胚を移植して着床しない場合

・高年齢で移植できる胚が少ない場合

・子宮内膜厚が8.0mm以上あり、子宮側に特に問題を認めないにもかかわらず着床に至らない場合

 

 実施法

①ホルモン補充周期では、黄体ホルモン補充開始日から約120時間目に子宮内膜組織を採取します。

②自然周期の場合は、排卵日から約120時間目に子宮内膜組織を採取します。

 

 結果

Receptive:感受性をもつ子宮内膜と一致する所見で、黄体ホルモン補充開始日から約120時間目に移植します。

Early receptive:感受性期早期の内膜と一致する所見です。

Late receptive:感受性期晩期の内膜と一致する所見です。

Pre-receptive:着床の窓のズレがあり、感受性期以前の内膜と一致する所見です。例えば24時間遅らせて移植指示の場合は、黄体ホルモン補充開始日から約12024144時間目に移植します。

Post-receptive:着床の窓のズレがあり、感受性期以後の内膜と一致する所見です。例えば12時間早めの移植指示の場合は、黄体ホルモン補充開始日から約12012108時間目に移植します。

 

 

 子宮内膜着床能検査の料金は132,000円(税込)です。非常に高額ですが、1回胚移植する周期にかかる料金とほぼ同じです。胚移植を繰り返したり、採卵を再度行うよりもはるかに安いことがあります。何よりも貴重な時間の有効活用、身体と心への負担の軽減に大いにつながる可能性があります。なるべく早期の段階での検査をお勧めします。