2020/05/16
・・・自粛中の妊娠準備のために・・・
今日のお勉強は、「亜鉛について」です。
亜鉛は必要不可欠な栄養素で、不足すると、発育・成長不全、性腺機能低下、皮膚疾患・脱毛、貧血、味覚障害、下痢、食欲低下、骨粗鬆症、創傷治癒遅延、免疫不全、感染への抵抗性低下などが起こります。特に男性の性腺機能の発達や精子生産過程には亜鉛が必要不可欠で、亜鉛が不足すると男性ホルモンの合成・分泌低下や精子濃度や運動率が悪化し、男性不妊症の原因の一つと考えられています。
食事で摂取された亜鉛の約30%が小腸で吸収されます。牡蠣は最も亜鉛含有量が高く100g中に13.2mgが含まれます。牛肉、レバー、ゴマ、大豆、アーモンド、ココアなども亜鉛が多く含まれます。
亜鉛は筋肉に約60%、骨に約30%存在しますが、最も亜鉛濃度の高い臓器は男性の前立腺です。
亜鉛の1日必要量は10~15mgです。亜鉛は安全域が広い微量金属元素ですので、過剰症に対する過度の心配は必要ありません。しかしながら、亜鉛製剤の長期間の使用により鉄や銅の吸収低下が起きることがありますので、定期的な血液検査が必要です。
亜鉛補充療法は男性不妊症に対して有効である可能性があり、亜鉛サプリメントにより精液所見が改善または男性ホルモン値を増加させるとの報告があります。一方、女性不妊症に関する亜鉛補充療法の効果に関する報告はありません。
当クリニックでは、亜鉛は原則として銅と一緒に採血しています。検査料金は2,040~4,220円(税込)です。いつでも検査ができ、数日後に結果をお伝えします。
亜鉛サプリメントは10mg60錠入 610円(税込)です。