2020/05/14
・・・自粛中の妊娠準備のために・・・
今日のお勉強は、「子宮内フローラについて」です。
子宮内は無菌と考えられてきましたが、最近では子宮内フローラ(細菌叢)の存在が明らかになってきました。そして、この子宮内腔における細菌叢の異常が生殖に悪影響を与えると考えられてきています。
子宮内腔には108種類の細菌が存在し、このなかの乳酸菌(Lactobacillus)が占める割合の多寡が着床率、妊娠率、妊娠継続率、流産率などに影響するとされています。
子宮内フローラ検査は、不妊症や不育症が子宮内環境の不良に起因すると考えられる場合や、慢性子宮内膜炎が疑われる場合、体外受精で形態良好胚を移植したにも関わらず妊娠不成立であった場合や、反復着床不全と考えられる場合などに行います。月経以外の時期に、子宮内膜組織や子宮内腔液を吸引して行います。数秒間の痛みを伴い、まれに子宮内感染症の可能性があります。料金は49,500円(税込)ですが、5月末までは検査会社の協力によりキャンペーン価格44,000円(税込)です。
検査結果は2~3週間後となります。乳酸菌(善玉菌)の割合と、その他の細菌(悪玉菌)の割合や種類がわかります。乳酸菌が占める割合が90%以上が良好な子宮内環境です。
悪玉菌の割合が多い場合、はじめにフラジールRなどの抗菌薬を1週間内服(1,930円(税込))し、続いてインバグR膣錠(乳酸菌)を1日1錠7日間(5,500円(税込))使用し、同時にラクトフェリン(乳酸菌の栄養源)を1日700㎎を2か月間内服します(150㎎60錠2,300円(税込)、100㎎90錠7,500円(同理由で6月末までは7,100円)(税込))。その後、子宮内フローラの再検査(38,500円(税込))を行い、乳酸菌が占める割合が90%以上になったらラクトフェリンを1日300㎎を分娩まで続けます。