ビタミンDについて

・・・自粛中の妊娠準備のために・・・

今日のお勉強は、「ビタミンDについて」です。

 必須栄養素であるビタミンDは、きくらげなどのキノコ類を除いて食品にはほとんど含まれていないため、太陽光の紫外線によって生成する必要があります。しかし、日焼けのために紫外線によるビタミンD合成はあまり期待できません。そのため、ビタミンDを積極的に口から摂取する必要があります。

 ビタミンDの働きは、骨を作る、心疾患や高血圧、糖尿病、肥満などの慢性疾患の予防、乳房や大腸などの癌予防などさまざまありますが、妊娠に関することでは、妊娠維持機構にとって必須の免疫制御能力があります。

 ビタミンD濃度は血液検査で調べられます(14203600円(税込))。20ng/mL未満はビタミンD「欠乏」、2029ng/mLは「不足」、30ng/mL以上は「充足状態」とされていますので、津田沼IVFクリニックでは30ng/mL未満の方へビタミンDのサプリメントを処方しています(1本90錠入 790円(税込))。110004000IUのビタミンDサプリメントを血液検査を定期的に行いながら内服します。

 日本人女性では全年代でビタミンDが「欠乏」または「不足」していますので積極的な摂取が必要です。

 ビタミンD濃度が「欠乏」あるいは「不足」と比べ「充足」な場合には、出産率1.3倍以上、臨床妊娠率1.4倍以上と、ビタミンD濃度の非充足状態は体外受精の成績に有意に関係していることが報告されています。

 不育症では有意なビタミンD非充足状態を認めており、着床・胎盤形成不全の可能性が報告されています。

 また卵巣に対するビタミンD作用もあり、妊娠3か月前からのビタミンD濃度が「充足状態」な場合、出産率が有意に10%も高くなることが明らかとなっています。

 不妊・不育のご心配な方は、ビタミンDの測定と補充をご検討されてみては如何でしょうか。

津田沼IVFクリニックでは土曜日を含め毎日検査ができます。数日後に結果をお話し致します。