全身振動と精液所見

「全身振動と精液所見」  津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)

 

 

全身が振動するタクシー運転手の精液所見

Assessment of semen quality of taxi drivers exposed to whole body vibration | Journal of Occupational Medicine and Toxicology | Full Text (biomedcentral.com)

 

概要

全身振動(WBV)は、運転手や重機・軽機のオペレーターなど多くの労働者にとって職業上の危険として認識されており、振動への暴露は身体的・精神的な影響を伴います。

振動への暴露は生殖器系に直接影響を与える可能性のある危険な物質であることが指摘されています。

自動車におけるWBV8時間加重平均を測定し、タクシー運転手と会社員では、それぞれ0.697±0.13m/s20.068±0.09m/s2でした(P < 0.05)。

タクシー運転手と会社員の間では、総精子数、直進運動率、非直進運動率、総運動率に統計的に有意な差が認められました(P < 0.05)。単変量分散分析によると、WBVへの曝露は、精子濃度、直進運動率、正常形態に負の影響を及ぼしました(P0.05)。

タクシー運転手であることは、精液の質が低下する可能性を高めます(P0.05)。

心理的ストレス要因、睡眠の質、背景的問題、化学汚染物質(重金属)や人間工学的要因(座ったままの姿勢や作業)などの環境要因などの介在要因が存在する中で、WBVの影響について明確な結論を出すことは困難です。

 

コメント

「全身振動の許容値は 0.35 m/s2 Asum8)(x, y, z 軸の 3 方向の合成振動値の 8 時間等価周波数補正加速度実効値)とする。 この値以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される。この値以上の職業的曝露が続いた場合に、非曝露の場合に比べて、背腰部症状のリスクが増大することが疫学的に明らかにされている。 54_5-02-許容濃度資料.indd (mhlw.go.jp)