禁欲期間と精液所見

「禁欲期間と精液所見」  津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)

 

 

精液所見正常と不良では、射精の禁欲期間によって異なる影響を受けます

Sperm characteristics in normal and abnormal ejaculates are differently influenced by the length of ejaculatory abstinence – Meitei – 2022 – Andrology – Wiley Online Library

 

背景

禁欲期間と精液所見との関連は確認されていません。

禁欲期間が短いと、精液所見が改善され妊娠率が高くなると言われていますが、精子のクロマチン成熟度や寿命に悪影響を及ぼすため、生殖成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

結果

禁欲期間が長くなると、精液量、精子濃度(乏精子症を除く)、および総精子数に有意な増加を認めました(p < 0.05)。

禁欲期間が長くなると、運動率(無精子症を除く)および生存率に負の相関がありました(p < 0.05)。

頭部の大きい精子は、重度の乏精子症においてのみ、禁欲期間が増加することで少なくなりました(p < 0.05)。

正常所見群では、禁欲期間が長くなると、変形頭部を持つ精子が少なくなり、先細りの頭部と小胞を持つ精子が多くなりました(p < 0.05)。

禁欲期間が長くなると、精液所見不良群では精子DNAの断片化が大きくなりました(p < 0.01)。

洗浄後の精子濃度と総運動精子数は、正常群では禁欲期間を長くすることで有意に改善しました(p < 0.05)。

 

結論

禁欲期間を長くすることを一般的に推奨することは、臨床的価値がありません。

禁欲期間は、精液所見と、治療の必要性に基づいて個別に設定されるべきです。

 

 

コメント

精液所見が良くない場合は、禁欲期間を変えてみましょう。

精液所見が良い場合は、禁欲期間は個別に設定します。