2023/04/08
「夫婦の染色体異常」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)
染色体異常と不育症夫婦の妊娠転帰
不育症を有する保因者と非保因者の初回妊娠出産率の比較
(A)保因者と非保因者の初回妊娠出産率の比較:異常核型と正常核型の不育症夫婦の最初の妊娠出産率に有意差があることがわかりました。
(B)転座と非保有者の初回妊娠出産率の比較:転座(相互/均衡型およびロバートソン型転座)を有する保因者において、初回妊娠の出産率が有意に低いことがわかりました。
(C)逆位と非保有者の初回妊娠出産率の比較:逆位を有する保因者では非保因者と差がないことがわかりました。
不育症を有する保因者と非保因者のタイプ別初回妊娠出産率の比較
(A)相互転座の保因者と非保因者の初回妊娠出産率の比較:保因者において、初回妊娠出産率が有意に低いことがわかりました。
(B)ロバートソン型転座の保因者の非保因者の初回妊娠出産率の比較:保因者において、初回妊娠出産率が有意に低いことがわかりました。
(C)9番染色体以外の逆位の保因者と非保因者の初回妊娠出産率の比較:保因者と非保因者で差がないことがわかりました。
(D)9番染色体の逆位の保因者と非保因者の初回妊娠出産率の比較:保因者と非保因者で差がないことがわかりました。
これらの結果から、保因者の初回妊娠出産率の低下は、逆位よりも転座と主に関連していることが示されました。
不育症の保因者と非保因者の累積出産率および流産率の比較
保因者と非保因者の累積出産率:累積出産率は、核型異常の不育症夫婦では、核型正常の夫婦と比較して有意ではありませんでした。
保因者と非保因者の流産率:流産率は、不育症と異常核型を持つ夫婦では正常核型を持つ夫婦に比べ著しく高いことが示されました。
流産を繰り返す保因者における着床前遺伝子診断(PGD)を受けた場合の累積出産率と流産率の比較
(A)累積出産率とPGD:累積出産率に有意差はありませんでした。
(B)流産率とPGD:流産率が低いことが示されました。
コメント
夫婦のいずれかに転座の染色体異常があると初回出産率が低下するようです。
不育症が疑われる際には、夫婦の染色体検査(血液)をしても良いかもしれません。