2022/09/28
経口避妊薬(ピル)は3か月くらい休薬してから採卵や胚移植をしましょう。
生殖年齢に関するアドバイスを求める経口避妊薬使用者における卵巣予備能の評価
経口避妊薬使用者は非使用者に比べて、卵巣容積が50%低く、抗ミュラー管ホルモンAMHが19%低く、胞状卵胞数AFCが18%低値でした。
AMHを<10pmol/lの値で比較したところ、経口避妊薬はAMHに有意な負の影響を与えることがわかりました。
経口避妊薬使用者では、5〜7mmサイズの胞状卵胞および8〜10mmサイズの胞状卵胞が有意に減少し、2〜4mmサイズの胞状卵胞は増加することが判明しました。
生殖補助医療を受ける女性の卵巣刺激プロトコルのための経口避妊薬、黄体ホルモンまたはエストロゲンの前処置
前処置を行わない場合と比較して、GnRHアンタゴニスト周期に経口避妊薬を併用すると、臨床妊娠が少なく 、ゴナドトロピン療法の日数と量が多くなりました 。
プラセボまたは前処理なしと比較して、GnRHアゴニスト周期の黄体ホルモン前処理は、臨床妊娠の増加および卵巣嚢腫の減少と関連しています。
エストロゲン前処置を行ったGnRHアンタゴニスト周期は、前処置を行わない場合と比較して、より多くの卵子が採取されますが、より多くのゴナドトロピン治療が必要となります。
排卵のある女性における体外受精の新鮮胚移植後の生産率および累積出生率の成績に対する前処置としての経口避妊薬の影響
新鮮胚移植後の生産率は経口避妊薬を使用している女性で、使用していない女性と比較して有意に低値でした(42.6% vs. 52.8%)。
凍結胚移植後の生産率は同等でしたが(42.7% vs 41.1%)、累積出生率は経口避妊薬を使用している女性で有意に低値でした(62.8% vs 67.6%)。
調整オッズ比は新鮮胚移植後の生産率で0.73、凍結胚移植後の生産率で0.89でした。
解説
経口避妊薬(ピル)により
卵巣容積が小さくなり、抗ミュラー管ホルモン値や胞状卵胞数が減少します。
アンタゴニスト法では、臨床妊娠が少なく 、注射使用の日数と量が多くなります。
胚移植後の生産率が低くなります。
経口避妊薬(ピル)は3か月くらい休薬してから採卵や胚移植をしましょう。
ただし、ロング法による採卵では臨床妊娠の増加が報告されていますので、胚移植前の3か月は休薬しましょう。
「経口避妊薬(ピル)は3か月くらい休薬してから採卵や胚移植をしましょう」 津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)