子宮移植

子宮移植

ドナーからの子宮の提供で、移植を受けたレシピエントの出産を目的とする臓器移植

ja (jst.go.jp)

日本医学会子宮移植倫理に関する検討委員会報告書 (med.or.jp)

 

 

子宮移植の流れ(体外受精等から子宮移植まで)

 

体外受精や顕微授精により得られた夫婦の受精卵(胚)を凍結保存した後、子宮提供者(ドナー)の子宮を妻に移植します。卵巣は移植しません。

1年以上かけて、移植された子宮がレシピエントに生着したことを確認します。

 

 

子宮移植の流れ(胚移植以降)

 

受精卵(胚)を子宮に移植します。

妊娠が成立した際には、帝王切開で出産します。

免疫抑制剤の服用を中止するために、子宮を摘出します。

 

 

子宮移植の状況

 

子宮移植の第1例は 2000 年にサウジアラビアで実施されましたが、移植された子宮の生着には至りませんでした。20149月、スウェーデンで世界初の生体間子宮移植後の出産が報告されました。

2021年10月現在、16カ国19施設87例の子宮移植が報告され、妊娠が確認できたのは72例、出産にまで至ったのは49例(米国(3施設合計)が21例、スウェーデンが12例、チェコが3例、ドイツが4例、レバノン、インドが各2例、中国、ブラジル、セルビア、トルコ、フランスが各1例)です。65例が生体ドナーからの子宮提供であり、脳死体からの移植は22例です。

出生児の平均体重は約2470gで、奇形や発育遅滞の報告はこれまでにありません。

 

 

子宮移植が不成功であった状況

 

子宮移植術施行後に、子宮が生着しなかったために子宮摘出となった症例は20例でした。

生着しなかった原因には、動静脈内血栓、虚血、感染症、出血などが報告されています。

 

 

レシピエント合併症

 

動静脈血管内血栓、腟狭窄(MRKH症候群)、尿路感染症、全身感染症、術後血腫、腎機能障害、好中球減少、膀胱損傷、ドナーからの抗体移行、拒絶反応などが報告されています。

 

 

子宮移植の対象;子宮性不妊症
 子宮の異常が不妊の原因で、日本に6万人以上

 

1)先天性子宮性不妊症

  .Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser 症候群(MRKH症候群、ロキタンスキー症候群):生まれつき子宮や腟を欠損

  ・子宮低形成

  ・子宮奇形など

2)後天性子宮性不妊症

 ・子宮悪性腫瘍(子宮頸癌、子宮体癌など)

 ・子宮良性疾患(子宮筋腫や子宮腺筋症など)

 ・産後の大量出血などで子宮を摘出

 ・子宮内癒着(アッシャーマン症候群や放射線照射など)

 

 

 

https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12753312549.html