体外受精での受精障害

体外受精での受精障害

 

 

受精の確認

 

精子の侵入によって第二減数分裂が再開すると、約3時間後に第二極体が放出され、約6時間後に雌性前核と雄性前核を持つ前核期胚となります。

 

 

異常受精について

 

正常受精では前核は2個出現し、これを2PNと言います。

例えば、前核が1個多く3個に見える3PNという異常受精の仕組みの一つは次のようです。

1)精子が2個受精(異常)

2)卵子の染色体異常(はじめから2倍の染色体だった)

 

 

受精障害

 

体外受精での受精率は70~80%ですので、体外受精をしても受精しないことがあります(受精障害)。

受精率が0%の場合(完全受精障害)、次回の体外受精でも受精しない確率は30~40%とされています。

 

 

受精障害が予測される場合の対応

 

顕微授精(ICSI)

・必要な運動精子数が得られない場合(乏精子症、精子無力症など)

・不動精子のみ(生存精子を選択)

・精巣内精子採取術で回収された精子

・高度奇形精子症(クルーガーテスト4%未満)

 

体外受精とICSIを半々(split ICSI

・必要な運動精子数が得られ、卵子が比較的多い場合

 

 

顕微授精について

 

「本法は、男性不妊や受精障害など、本法以外の治療によっては妊娠の可能性がないか極めて低い と判断される夫婦を対象とする(日本産科婦人科学会 顕微授精に関する見解)。」

受精率は80~90%で、受精しないこともあります。

妊娠率は、体外受精と同等です。

児の形態異常や染色体異常は、体外受精と同等とされていますが、未知の点があります。

男性に造精機能関連遺伝子異常がある場合、男児にそれが遺伝し、男性不妊症を発現する可能性があります。

 

 

 

https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12743535912.html