着床前染色体遺伝子検査(PGT-A)後の染色体正常胚の妊娠率は50~65%

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着床前染色体遺伝子検査(PGT-A)後の染色体正常胚の妊娠率は50~65%

 

やらなければ良かった?

 

 

PGT-A後の染色体正常胚の妊娠率は50~65%

 

「年齢と染色体異常率(染色体正常率)」が報告され、更に、PGT-A後の染色体正常胚の妊娠率は50~65%とされています。

染色体正常胚での妊娠率が100%でなく、50~65%となってしまうのは、妊娠するには染色体以外の多くの要因が存在することと、PGT-Aで胚盤胞から細胞を採取するダメージによるとされる報告があります。

 

 

これらの報告やデータが正確とするならば、PGT-Aにより約50%の確率で胚をダメにしている、すなわち本来は生まれていたかも知れない2個の胚のうち1個を生まれえない状態にしてしまっている恐れがあることになります。しかも、生まれる1個の胚も妊娠高血圧症候群などの母体や胎児に対して非常にハイリスクな疾患が有意に高値となります。

 

 

PGT-Aの料金は施設により大きく異なりますが、多くは胚盤胞1個当たり11万円(税込)と超高額です。5個なら55万円にもなり、すでに生殖補助医療(体外受精や顕微授精)そのものの料金を大きく上回り、もう一度生殖補助医療を受けた方が良いのではと考えることもできます。

PGT-Aは単なる検査に過ぎず、治療ではありません。お金をかけて、約50%の確率で胚をダメにしています。

移植当たりの流産率を減らすとされていますが、これは染色体異常胚を移植しない故の移植回数を減らしているからであり、出産数が増えるわけではありません。数字上で流産率を下げるという理由で、生まれたかも知れない胚をダメにして良いのでしょうか?PGT-Aをしなければ、出産数や子供の数はもっと増えていた計算になります。

 

 

「年齢と染色体異常率」は、ある文献によると、例えば41歳の胚盤胞の染色体正常率は31.1%ですので、PGT-Aをしなければ計算上は3個胚移植で31.1×3=93.3%の出産率となりますが、PGT-Aにより50%の胚盤胞にダメージがあるとすれば、31.3×3×0.5=46.7%となり、出産には至らないことが半数以上となり、同確率にするためには6個移植をしなければなりません。ところが、41歳の方が6個以上の胚盤胞があることは極めて稀ですし、健康保険を利用できる胚移植の回数は3回までです。

ならば、年齢毎の染色体正常率を利用して、複数胚を移植すれば良いのではないでしょうか。単一胚移植と複数胚移植の料金は同じですし、PGT-Aの費用は掛からず胚へのダメージもありません。複数胚のうち、1個が出産に至る良好胚であれば、他の胚が流産となってしまう胚であっても流産とはならず、1個は出産に至ります。流産になってしまう胚は枯死卵として吸収されていき、胎児への影響はありません。

 

 

「年齢と胚染色体正常率」と、移植胚数ごとの出産率

 

40歳で2個、41歳で3個、42歳で4個の胚移植を行えば、ほとんどの人が出産に至る計算です。

出産率が高い、例えば34歳以下では1個胚移植を原則としておけば、双胎の確率を高くしないと考えられます。

 

 

「年齢と染色体異常率」とPGT-Aによる胚へのダメージを50%として計算すると次の表のようになります。

 

各年齢で半分の出産率となります。

 

 

着床障害の原因検索には多くの方法があります。治療方法も多くあります。

大切な受精卵にダメージを与えたり、もしかしたら生まれたかも知れない子供を失う前に、血液検査や子宮の診察をして、なかなか妊娠に至らない原因を見つけたり、直したりしてみませんか?

一人一人異なる原因と治療方法を見つけていきましょう。

 

 

 

 

https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12738217174.html