睡眠時無呼吸症候群と男性不妊

睡眠時無呼吸症候群と男性不妊

 

 

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea syndrome : SAS
      日本呼吸器学会 disease_i05.pdf (jrs.or.jp)

概要

睡眠中に無呼吸を繰り返すことで、様々な合併症を起こす病気です。

疫学

成人男性の約37%、女性の約25%にみられます。男性では40歳~50歳代が半数以上を占め、女性では閉経後に増加します。

 

 

発症のメカニズム

空気の通り道である上気道が狭くなることが原因です。首まわりの脂肪の沈着が多いと上気道は狭くなりやすく、肥満はSASと深く関係しています。扁桃肥大、舌が大きいことや、鼻炎・鼻中隔弯曲といった鼻の病気も原因となります。あごが後退していたり、あごが小さいこともSASの原因となり、肥満でなくてもSASになります。

症状

いびき、夜間の頻尿、日中の眠気や起床時の頭痛などを認めます。日中の眠気は、作業効率の低下、居眠り運転事故や労働災害の原因にもなります。

 

 

診断

問診などでSASが疑われる場合は、携帯型装置による簡易検査や睡眠ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態の評価を行います。PSGにて、1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数である無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以上であり、かつ上記の症状を伴う際にSASと診断します。その重症度はAHI 515を軽症、1530を中等症、30以上を重症としています。

治療

AHIが20以上で日中の眠気などを認めるSASでは、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous positive airway pressureCPAP)が標準的治療とされています。CPAPはマスクを介して持続的に空 気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。また、下あごを前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。

 

 

生活上の注意

肥満者では減量することで無呼吸の程度が軽減することが多く、食生活や運動などの生活習慣の改善を心がけることが重要です。アルコールは睡眠の質を悪化させるので、晩酌は控える必要があります。

予後

成人SASでは高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす危険性が約34倍高くなり、特に、AHI30以上の重症例では心血管系疾患発症の危 険性が約5倍にもなります。しかし、CPAP治療にて、健常人と同等まで死亡率を低下させることが明らかになっています。

 

 

論文紹介
台湾における閉塞性睡眠時無呼吸症候群と男性不妊症のリスクとの関連性
Association of Obstructive Sleep Apnea With the Risk of Male Infertility in Taiwan | Pulmonary Medicine | JAMA Network Open | JAMA Network

結果

合計4,607人の不妊症の男性患者(平均年齢34.18歳)と18,428人の対照患者(同34.28歳)を対象としました。

OSAは1.24倍となる不妊症と関連する独立した危険因子でした。

治療を行わないグループのOSA患者では、OSAを持たない患者と比較して、不妊症が1.8倍でした。

結論と関連性

男性における不妊症のリスクは、OSAへの曝露時間と関連しています。

さらに、OSAを管理または治療しない場合は、高い不妊症リスクと関連しています。

 

 

 

https://ameblo.jp/tsudanuma-ivf-clinic/entry-12734441998.html