分娩予定日

分娩予定日

 

参考   産婦人科ガイドライン 産科編2020 gl_sanka_2020.pdf (jsog.or.jp)

 

 

はじめに

 

月経が28日周期の人は、最終月経から14日目を排卵日として分娩予定日を決定します。

月経が28日周期でない人は、その分を補正して予定日を決定します。

この最終月経から予定日を決定する方法は、排卵が変動するために、約半数は正しく予定日が決定されていません。

月経周期が不整である人や、順調であっても排卵がずれる場合がありますので、超音波計測で妊娠週数を確認します。

妊娠初期の胎児頭殿長による妊娠週数は、最終月経からの計算と比べ正確と考えられ、超音波計測値をもとに決めた予定日が推奨されています。

月経歴や最終月経から推測された妊娠週数と、超音波計測値が乖離する場合は、超音波計測による予定日決定が優先されます。

 

 

分娩予定日の計算

 

分娩予定日は、受精日を妊娠2週0日として計算します。

タイミング治療などの情報や、基礎体温から排卵日が確からしいと考えられる場合は、その情報より予定日を決定します。

受精日がはっきりしている人工授精や体外受精などで妊娠した場合は、人工授精の施行日、体外受精における採卵日や胚移植日の情報から予定日が決定できます。

採卵と胚移植の周期が異なる凍結胚移植などでは、胚移植日に受精後の培養日数を加味して予定日を決定します。

4細胞期胚を移植したのであれば胚移植日の2日前、8細胞期胚なら3日前、胚盤胞なら5日前の受精と考え、そこを妊娠2週0日として予定日を計算します。

 

超音波検査での、胎児頭殿長の計測値が14~41mm(妊娠8週1日~11週2日)範囲で±3.9日の誤差で、実際の妊娠週数との乖離が最も少ないとされています。

妊娠11週を超えると、胎動などの影響で胎児頭殿長の誤差が大きくなりますので、児頭大横径を測定して予定日を決めます。

胎囊径の計測値を用いた予定日の決定は、不正確であるため行いません。

正確な胎児頭殿長の計測ができるまでの間は、予定日は未定か、月経歴などを参考にした暫定的な予定日を用います。

多胎妊娠の場合も同様です。発育差を認めた場合には、小さい方の児は発育不全など異常の可能性があると考え、大きい児を基準に予定日を決定します。

 

 

妊娠初期に決められた予定日は、妊娠中期以降の超音波計測値によって変更しません。差異がある場合は、胎児発育に問題がある可能性があります。

正確な妊娠週数が分かっている場合に、胎児因子による胎児発育不全などは、妊娠初期の終わりや中期のはじめごろの正確な超音波計測値にすでに違いを認めるという報告があるためです。

妊娠中期の情報のみで予定日を決めなければならない場合は、児頭大横径、頭周囲、腹囲、大腿骨長などの超音波計測値を参考に予定日を決定します。

これらの超音波計測値で求める分娩予定日は、妊娠14~16週で7日、妊娠16~21週で10日、妊娠22~27週で14日、妊娠28週以降で21日の誤差がある可能性が指摘されています。

 

 

「分娩予定日」  津田沼IVFクリニック | tsudanuma-ivf-clinicのブログ (ameblo.jp)