DHEA(デヒドロエビアンドロステロン)について

・・・自粛中の妊娠準備のために・・・

今日のお勉強は、「DHEA(デヒドロエビアンドロステロン)について」です。

 DHEAは副腎皮質や卵巣から分泌され、女性ホルモンに変換されます。DHEA20歳代に最高値となり、40歳代でその4050%に低下します。加齢とともにDHEAが不足すると卵巣の反応性が低下しますので、卵巣予備能の低下が予想される場合(津田沼IVFクリニックでは概ね37歳以上の方)では、血清DHEA-S値を測定し、低値では補充します。

 卵巣予備能が低下している方がDHEAを服用すると、抗ミュラー管ホルモン値、インヒビンB値、胞状卵胞数が有意に改善したり、着床前胚染色体異数性検査で胚の異数性の数が低率であったという報告があります。また、体外受精周期前にDHEAを約3か月間服用すると、採卵数、成熟卵数、受精率、良好胚数、臨床妊娠率、継続妊娠率、生産率が有意に高率であったという報告があります。

 また、胚移植周期にDHEA服用を継続するか否かについては、DHEAが着床障害を引き起こすという報告のある一方、 DHEAが着床を促進する可能性を示唆する報告もあるため今後さらなる検討が必要です。現時点では当クリニックでは内服を継続していただいています。

 高齢で体外受精治療における卵巣反応性が不良な方や、卵子の成熟率が低い方で、血中DHEA-S値が低い場合に服用の適応となります。また若年でも卵胞刺激ホルモンが高く、卵巣予備能が低下している方も適応となります。

 血中DHEA-S値が正常値の場合や、多嚢胞性卵巣症候群、テストステロンが高い方には処方しません。また、肝機能障害、乳癌などホルモン依存性悪性腫瘍やその既往のある方は禁忌です。

 血中DHEA-S検査(津田沼IVFクリニックの基準値:150200μg/dL以上)、血中テストステロン検査(同:0.110.47ng/mL)を行い、値が低ければDHEA2575mg/日の服用を開始します。

 血液検査の料金は、DHEA-S22504430円、テストステロンが16503830円で、DHEAサプリメントは25mg100錠入り3200円です。検査はいつでもできます。数日後に結果をお話しして、必要ならサプリメントをお渡しします。